武田和大です。木管吹きです。

2009年頃の古文書です
ぼちぼち現状に即して書き直そうかと(2019/07)


良い音ってどんな音?
 (20090920 更新)

最近ネット上でよく見かける広告があります。
「たった3秒で貴方のサックスの音が良くなります」
それは本当とも言えるし、そうでないとも言えます。

なぜなら「良い音とはナニか」が、その人と受け止める人とで一致するとは限らないからです。
そのやりとりを成立させるには「良い音とはどんな音か」の定義というか、共通認識からスタートすべきです。

私なりの結論を言います。
サックスを吹きたいと思う人の数だけ良い音のバリエイションはあります。
その人達が「いいなぁ」と思い浮かべる対象の全てを数え上げるなら、その数倍はあります。

まずは「こんな音を出したい」というイメージを明確に持つべきです。
それがなければ、どんなに練習したって自分の音が良いかどうか評価できません。
そのイメージに近づいたなら「良くなってきた」と評価できますから。
最初は「憧れの誰かみたいな音」でよいです。

その点においては、イメージの無い人に対してどんな説明をしたところで、3秒で良くすることは不可能です。
伝える者にとって良い音と感じ、「良くなったね」と言っても本人にとっては無意味です。
自分で良くなったと感じられないんだから、嬉しくともなんともないはずです。

次に、演奏家として価値のある人になるには、世界で唯一無二の自分しか出せない音を出すのを目指すべきです。
誰かと同じ音を出すのなら「貴方でなくても誰でもかまわない」ってことです。
音楽家としてそんなに不幸なことはありません。
己の言いたいことを一番効率よく伝えられるのは「貴方しか持っていない声」です。

私は常に自分の声と同じ音を出すよう目指しています。
が、
それと同時に、声では出せないこの楽器特有のオイシイ要素も沢山乗っけるようにしています。
そうしないと歌い手と互角には渡り合えませんから。
歌詞を持つ歌い手はズルいです。
けど、サックスの音ももっとズルいはずです。えへへ。

約束します。
出したい音のイメージがある方なら、私のレッスンに来れば3秒でソレに近づきます。
断言します。
3秒でソコに到達はしません。
ただし、辿り着くための近道は色々と紹介します。


※注意書き※
いわゆるクラシカルな音色を目指す人達の思う「良い音」の範疇は非常に狭いです。
前世紀初頭にマルセルミュールという偉大なオリジネイターというかスタイリストが「サックスかくあるべし」という姿を確立し、誰もがそれを目標にしているからです。
ただし、それ以降の偉大な演奏家達は、彼ら固有の音や表現を持っているのも確かです。
クラシカルな音色も私の思うところの、サックスの持つ様々な音色の可能性のうちの一つでしかありません。
「どんな音色でも出せるじゃん」という方法を身につければ、あとは自分の好きな結果をチョイスすればいいのだと思います。

※ちなみに※
無責任な中傷にならないように言っておきます。
「3秒で、、、」の人の文章を読んでみました。
とても情熱に溢れた、教育者として有望な若者です。
「伝えること」に才能とバイタリティを持っています。
特にネットでのマーケティングにも優れていますね。
ちょいと誤字が目立つのが気になりますが。
(自分は棚に上げてますよ。)
まだまだ演奏家としても教える人としても沢山の経験を積める人だと思います。
感心するのは、彼自身が頻繁に自分をリニューアルできる柔軟な人だってことです。
たぶんね。
ただ、通販教則本という固定した商品を作ってしまったばかりに、あっさりと前言撤回するわけにはいかないようで。
そこらへんの機微を「文字数の多いところ」にヒシヒシと感じたりもします。
私はより真実に近いと思える出来事に触れれば簡単に前言撤回します。
だからこういう表現形態を取らせてもらっています。
(もちろん彼も、完全受注pdf出荷にしてるのはフレキシビリティ確保のためかもしれません。
 けど、最初に買った人と後で買った人とで、あまりに内容が違ってて同じ値段ってのもカッコ悪いんだろうなぁ)
とは言え、
書籍にせよwebにせよ常に「その時点での自分の記録」です。
録音物でも作編曲でもそうです。
いつまでも、よりよい表現を見つけ続けましょう。
「彼」へのエールです。


  ※投げ銭よろしく〜 賽銭箱

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