2009年頃の古文書です
ぼちぼち現状に即して書き直そうかと(2019/07)
ソプラノのオクターブキー周辺の事件
_いつまでも書きかけ項目(最終書き足し20090415)
_!!情報募集中な項目!!
ソプラノのオクターブキー周辺にまつわるトラブルって多いようです。
メーカーや機種によっても微妙に違いがあるようで。
とりあえず手元にある3本について実状をメモってみます。
他の楽器での状況を教えてくれるとありがたいです。
☆’80年代初頭のヤマハYSS-62s
1)
開放のC#のダブルトーンホールシステムとオクターブキーシステムとの連結。
非常にまっとうな造りではあるが、バネのバランスのせいだろうか、
動きの大きさのせいだろうか、事件の引き金になりがちです。
開放C#のためのトーンホールが縦に2つ並んでいます。
第1オクターブのときは2つともが開きます。
第2オクターブのときはマッピから遠いほうだけが開きます。
つまりオクターブレバーを押すことでマッピに近い方のカップが閉まった状態でホールドされるんです。
それで第2オクターブてっぺんのC#の上ずりが補正される。
オクターブレバーを押している限りその状態はキープされるので、
それより上の左手サイドキーを使った D〜F# といった音にも影響します。
でだ、
多分に自分の不注意が引き起こすことだが、演奏中にオクターブキーの押し込みが足りなくて、上記2穴のうちマッピに近い方が少し空いてしまうことが多い。
(他の楽器よりもそうなりやすい、ってことで。)
そうなると、てっぺんのC#〜D#あたりがヒュイ〜っと上ずります。
それより上の音にはあまり影響はないようです。
本当に自分の不注意ではあるのだが、柳沢991だとあまり起きない事件なのです。
オクターブレバーをハネ上げているバネの調整次第なのかも、、と思ってます。
62sは991と較べるとOct.レバーの動く距離が大きいです。
991では感じる「押すー放す」でのクリック感のようなものが62sには無く、
押し始め_押し切り_放し始め_放し切り
この間、ずっとリニア(連続的)かつ恒常的な弾力が指に伝わります。
可動距離が大きいのと相まって、ボヤーっとしてると知らず知らずのうちに指が浮いてしまうようなんです。
この現象については身近で同じ楽器を長年使ってるM君も同意してくれたので、一般的問題かと思ってます。
対策としては、クリック感のあるバネ調整を実現するか、気をつけるか、ですかね。
※C#穴がダブルってぇのはマーク6もそうでしたっけ? 他の楽器ではどうでしょうか?
2)
オクターブレバーは一つですが、キーは2つありますよね、大抵。
マッピから遠いほうを第1オクターブキー、近いほうを第2オクターブキーと仮に呼ぶことにします。
第2のほうなんですが、時々くっつきます。オクターブレバーをおしても空かなくなってしまいます。
掃除しろよ!
ってことなんですが、普通に構えたときに地面に向かって真下より40°余り右下についてます。
するってぇと、ツバが流れ込みやすいはずです。
小さなオクターブホールが半球状に盛り上がったとこに開いてて、それを天然皮革で包み込むように閉じる。
くっつきやすいはずです。
対策としては、閉じるパッドをコルクやシリコンに換えるってとこでしょうか。
☆今世紀初頭の柳沢 991
1)
開放C#のピッチ調整の工夫はダブルではなく、一カ所に二段式トーンホールとなってます。
管体に開いた穴に先ずはドーナツ状(フルートのリングキー状)の穴あきカップが乗ります。
その上に普通のカップが乗ります。
第一オクターブでは二つともが開きます。
第二オクターブでは普通のカップだけが開き、ドーナツは閉じたままです。
つまり、第二の時には第一と較べてトーンホールが小さくなるわけです。
この楽器はオクターブレバー操作時のクリック感のために、押し損じは少ない。
押し損ずれば上記の62sと同様の現象は起こります。でも大丈夫。
なのですが!
ドーナツと普通の、、こいつらがくっついて離れなくなることが希にあります。
第二Oct. の時も一緒に上がってしまう。
つまり、第二オクターブでも大きなトーンホールになるわけ。
結果として、C#〜D#あたりがヒュイ〜っと上ずる。
ごく希に突然に起こるので、慌てふためきます。
対策としては、掃除しろよ! ってことしかなさそうです。
※2段式C#穴ってぇのはシリーズ3もそうでしたっけ? シリーズ2は? 数少ないSA80初代は? ヤマハは?
2)
第二オクターブホールがネック上、空を向く方向に付いてます。
ってことはツバが引力によって流れ込む向きではありませんが、
マッピ直後なので、そんなことは関係ないってことでしょうか。
非常に非常によくクッツキます。Oct. レバーを押しても上がらなくなります。
独特の防水パッドのせいかもしれません。
対策としてはやはりパッド素材の変更でしょうね。か、演奏中に手でイヂル癖をつけるか(笑。
☆前世紀初頭のセルマー Model No.22
1)
C#のトーンホールは一つだけなので悩みは無し。
2)
オクターブキーシステムは非常に単純かつ力強いシステムなので、確実に動作してくれる。
が、
柳沢のパッドが付いてます。一日の最初に「ペリっ」とクッツキが剥がれる音をたてます。
☆雑感
最近沢山のアジア製楽器を見て思うんです。
どのメーカーもソプラノとバリトンの開発は後回しで、細かいとこまでチェックが行き届かないのだなぁ。
開発時間と注意力は、アルトとテナーにかけた数十分の一としか思えない。
一流と思われてるメーカーでも同様のことは言えると思うのです。
その点、
同じシリーズ名であってもソプラノとバリトンの発売が何年も遅れるセルマー。
やっぱり一流なのだと感じさせてくれます。
シリーズ3のバリトンが楽しみです。
※投げ銭よろしく〜 →賽銭箱
→Sax諸々説明のTopへ
→サイトTopへ