2009年頃の古文書です
ぼちぼち現状に即して書き直そうかと(2019/07)
「左親指が痛いんです」
(2009/08/25)
※この件、後に沢山の研究を重ね、だいぶ加筆の必要があります。
右手の腱鞘炎の話も書かねばなりませんね。(2013.05.17)
初心者が始めてから数ヶ月後に訴えることが多い症状です。
それを放置しておくと、いわゆる腱鞘炎の状態に陥り、
復活するのに数ヶ月かかります。
右手の親指が痛くなるのは理解しやすいですね。
ストラップを使っているとはいえ、少なからず右手親指で
重さを支えねばならない楽器ですから。
この楽器を長く吹いてる人は必ず、右親指にタコがありますし、
筋力も異様に育っています。
これは初めのうちは「疲れたら休み、マッサージして疲労回復を待つ」
これしか対処法はありません。
無理を続ければやはり腱鞘炎になりかねません。
厳密なことを言えば、サックスの右手運指では、薬指に無理な動きを
強いられることはあまり無いので、そこに起因する心配は薄いです。
というのも、フルートの場合、薬指の無理な動きに起因する
腱鞘炎誘発の怖れがありますから。
単に重さの問題です。
さて左親指。
様々な要因があるのでしょうが、私は体験的に一つの確かな原因を見つけました。
サムレストに置いた親指を、オクターブレバー(俗称;オクターブキー)を押す際に
・一端離す(宙に浮き上がらせる)
・オクターブレバー上空に移動する
・オクターブレバーに置き、押し込む
オクターブレバーを離す際にも
・一端離す
・サムレスト中心上空に移動する
・サムレストに置く
という動作をする人は、左親指を痛める確率が非常に高いです。
理想的な動きは「サムレストに置いた親指を浮かすことなく、第一関節の
曲げ伸ばしのみでオクターブレバーを操作する。その際、オクターブレバーに
触れるのは親指の先端の極小さな面積のみ。」です。
そうでない「一端宙に浮く」動きをする人に共通な問題も発見しました。
オクターブレバーを押していない時に、サムレストの面と、レバーの面とが、
まっすぐ並ぶような高さに調整してあるんです。
つまり、レバーを押す際に、サムレストの面よりも「グッと向こう側に」
押し込まねばならないんです。
正常な調整とは、レバーを押しているときに、サムレストとレバーの上面の高さが揃っているんです。
つまり、押してないときにはサムレストよりもレバーの方が上に飛び出します。
異常な調整の結果、引き起こされる親指の動きでは、
着地する瞬間に起こる不規則な楽器の動きに対応するために、
思いの外親指周囲に負担がかかるようです。
左親指に異常を感じる人は、その点の調整をしてみてください。
尚、「親指が反り返りやすい人は痛みに陥りやすい、それは握力を鍛えて反り返らないようにすべき」という説を見かけたことがあります。
私は非常によく反り返る親指を持っていますし、握力も充分にあります。
その反り返りを有効活用してオクターブレバーを操作しています。
もちろん、腱鞘炎になったことはありません。
反り返ることが原因とは思えません。
本考察は沢山の事例を見てきた結果です。
他にも原因はあるかもしれませんが、充分参考になるはずです。
オクターブレバーの安全操作のコツ。
サムレストに親指を置いている時に、親指の先端をレバーの端に触れておきましょう。
そうすれば、第一関節(根本ではなく先端に近い関節)を曲げればレバーを押し込めます。
指がよく反り返る人は上記のような調整をしてよいでしょう。
反らない人は、それよりは若干レバーを低くすべきでしょう。
するってぇと、反らない人は、押してないときに先端のみならず親指の内側面をしっかりレバーにかぶせて触れておいた方がよいのでしょう。
余談
バリトンのLowAキー。
様々なデザインがありますよね。
あれって、構え方との兼ね合いもあって、ベストなデザインと
高さ調整が非常に難しいんです。
うまく造らないと、通常音域の演奏中に間違って押してしまいがちなんです。
するってぇと、キーの連動のせいでG#が開いてしまうんです。
ベル音域演奏中にそれが動くと、必要以上のキー操作抵抗を産んだりもします。
僕にとっては、慣れもありますが、セルマーSA’80シリーズ2初期型の貧相なやつが好きです。
現行のものは大きなバナナ型で、回転軸の向きも逆ですが。
※投げ銭よろしく〜 →賽銭箱
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