2009年頃の古文書です
ぼちぼち現状に即して書き直そうかと(2019/07)
♪無敵の音階練習その2<アルペジオ&コード編>♪
分散和音を音楽的意味と共に身につけよう
の予告編
<前書き>
アルペジオ(分散和音)の練習ってなんのため?
楽器操作の機能的練習だけでは無いはず。
和音と音階の関係を、聴覚体験と共に知識として積み重ね、
よりよい演奏に活かせるようになりましょう。
一般的には三和音ないし四和音のいくつかの音程バリエイションを挙げてそれを楽器の音域全域に渡ってまっすぐに上下したり、転回型を並べてみたり、ということに終始します。
ただし、それだけでは演奏機能のフィジカルな練習にすぎず、音楽的意味は別に勉強して後から組み合わせる苦労を経なければ、実際の音楽的演奏やアドリブには活かせません。
本書では、和音の原泉となる音階と、そこから抽出された結果の和音とを並べることで、和音と音階との関係を明かにしながら練習を進めます。
つまり、和音の音楽的意味について学習しながら実戦的スキルを深められます。
とはいえ、音階と和音の組み合わせを全て網羅すると膨大かつ混乱の素なので、体験すべき和音の形を導き出す音階を最小限に厳選しました。
第1巻を一通り終えて音階について深いスキルを得てる方なら、それだけで網羅的な発展のさせかたも自分で工夫できることでしょう。
基本的な和音の形をその意味(の一つ)と共に体験した後に、使いこなしを容易にするような技術的練習の工夫を紹介します。
本書譜例を通して和音の意味を自動的に体得できますが、それだけでははっきりと何かを理解できた気にはならないのも確かです。
是非とも音楽理論書で音階と和音の関係について別に勉強してくださいね。
「実際の音で音楽的意味を感じ取る体験を重ねる」ことと、それを「言葉に変えた説明方法を身につける」のは違う次元の勉強ですから。
それらが出会い一致したときに初めて「使える道具」として身につくことになるのでしょう。
01. 基礎的な考え方
音階の中で隣り合った5音を並べ、その奇数番目の音を選び出すといわゆる三和音=トライアドができあがります。
一番シンプルな例としてCメイジャースケールの最初の5音からCメイジャーコードが導き出されるのを見てみましょう。
<ここに譜例>
ここで理解すべきこと。音階からハーモニーが抽出されるのみならず、逆にCメイジャーコードに対してCメイジャースケール下半身5音は「ふさわしい音階=アヴェイラブルノートスケール」の可能性の一つとして考慮されうる、ってこと。
この考え方に慣れると、メロディの幾つかの音からふさわしいハーモニーを何種類か見つけ出せたり、ハーモニーに対してふさわしい音階を見つけ出しメロディを作る材料にできたりします。
つまり、作曲やアドリブに欠かせないセンスの基礎となります。
メイジャースケールの中にどんな種類の音列とハーモニーの組み合わせがあるのかを観察してみましょう。例としてCメイジャースケールの1番目から7番目の音について上の例と同様に挙げてみます。
様々なハーモニー=コードのうち3音からなるもの=三和音をトライアドと呼びます。
<ここに譜例。度数表記、コードネーム、モードの概念も説明しつつ>
これらメイジャースケールに内在する5音と出来上がるトライアドとの組み合わせはキーが変わっても変わりません。つまり、上の一覧が全部で12通り書けます。
音階編を終えられた方なら簡単でしょうから自分で全て書き出してみましょう。
このように7通りのモードを導き出す原泉となる基本的音階はメイジャースケールだけでなく、少なくともあと3種類あります。それらを合わせて「4つのペアレントスケール」と呼びます。それらでも同様の一覧が作れ、メイジャースケールでは登場しなかった形の音列とコードが存在します。
ここでは三和音のみを紹介しましたが、四和音、五和音、六和音、七和音、も考慮すると、音階と和音の関係のヴァリエイションは更に深いものとなります。
ちなみに前項で抽出したトライアドはいわゆる基本形です。
<ここに譜例。転回型の説明>
これらを組み合わせてアルペジオの様々な練習パターンを作れます。例えば…
<ここに譜例。練習パターン例>
こういったパターンは数限りなく作れます。
それらを紹介した書籍も沢山出ていますので本書では割愛します。
是非そういった本を探して練習に活かしましょう。
本書ではそれらに書かれてないことに集中します。
それらを音楽的に活かせるようになる道を究めることに集中します。
02. 網羅的な転調の練習
さて、自分で書き出した「12のメイジャースケールと内在する三和音の一覧」をズラッと並べて演奏できるようにしましょう。音階編を終えた方なら簡単ですね。
なので、ここで更に有機的な練習へと発展させましょう。
<ここから膨大な練習の紹介が始まります。単に楽器操作術の訓練に陥らず、和声が音楽のなかで果たす意味を感知できる人になるプロセスを紹介します。>
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