武田和大です。木管吹きです。

目からウロコの教則ネタなどなど…

Q:メタルのマウスピースが欲しい。ファンクやフュージョン系に合うマウスピースはどういうのがおすすめですか?

A:どれでもいいと思いますよ。あるいは、どれも良くないとも言えます。
先ずは貴方の出したい音色をハッキリとイメージしましょう。
それができないならば、どんなマッピも選ぶ甲斐は無いし、極論を言うなら、どんな練習すらする甲斐は無いでしょう。
イメージするには色んな先輩達の音を沢山聴きましょう。
音色だけで憧れてしまうプレイヤーを見つけたとしたら、是非それを目指す音色としましょう。
とにかくよく聴きましょう。可能なら間近でナマの音を聴きましょう。
その音色を実現するにはどんなことが必要なのか、よく観察し、よく考えましょう。
そうすると実はマッピがナニであるかは極小さな要素なのが判るでしょう。
とはいえ、適切なマッピが求める音色に近づくのを助けてくれるのは確かです。
ただし、憧れの人が使っているのと同じものを使っても、大抵は満足な結果にはならないのも知っておきましょう。
何故なら、彼と貴方の身体は違うものだからです。
同じ音色に近づくためには、貴方の場合は違うマッピの方が適してる場合もあるわけです。
それに、マッピは最終的には手作業で仕上げるものなので、必ず個体差があります。
本当に一期一会の品物です。
つまり、同じ品番であっても憧れの人のと同じものは一つも無いのです。
だから、マッピは必ず試してから買うべきものです。
イチカバチカのギャンブルに際限なくお金をかけるのが趣味でない限り。

さて、それでもメタルがよいと思ったとしましょう。
何故メタルと判断したのでしょうか?
大抵は偏った情報の影響だと思われます。
メタルだとアレっぽい音が出るそうだよ、という類の。
おおまかな音色を決定づけるのは内部の形状と容積です。
材質も影響はしますが、オタッキーと言える範囲での違いです。
マルセルミュールが使っていたのはセルマーのクラシックメタルです。
聴いたことがなければ聴いてください。
材質ではなく形状が音色に大きく影響するのが判るでしょう。
それ以上に実は肝心なのは、奏者が目指すイメージこそが音色を決定づけるってことです。

はいはい、それでもメタルが欲しいと思ってますね。
では、貴方が大金持ちでないかぎり、飛行機代をかけてでも楽器店に出向きましょう。
マッピを沢山取り揃えている店に「朝から」伺いましょう。
何十本も試奏するには時間がかかるし、空いてる時間帯に行った方が店員さんもカマッテくれるからです。
できれば友人と行きましょう。客観的感想を聞けるのは大切なことです。
友達が居なければ録音機と良いマイクと良いヘッドフォンを持って行きましょう。
あ、店員さんがカマッテくれれば、それでもよいです。
何種類かの厚みの「良く鳴る」リードを持参しましょう。
先ずは1本あたり1分のつもりで何本でも何種類でも試しましょう。
最初は「違いに気付く」ためですので、長時間吹いてしまうと、口も耳も慣れてしまって、なんでも良くなってしまいがちですので。
ただし、短時間とはいえ慎重に試行錯誤しましょう。
設計思想によってはいつもとは全く違ったアンブシュアと息づかいが必要な場合もあるからです。
沢山試している最中に忘れてならないのは「求めるイメージ」です。
素晴らしい!と思えるマッピは沢山あります。どれも欲しくなってしまいます。
それに振り回されないように気をつけましょう。
帰宅してからシマッタ!と思っても遅いですから。
気になるものが数本に絞れたら数分づつゆっくり付き合ってみればよいでしょう。
今まで使ってきたものも候補のうちの1本のつもりで並べましょう。
答は自ずと出るでしょう。
開きが大きいのがエライとか、コントロールが難しいのを使いこなすのがスゴイとか思わないようにしましょう。
現状の貴方の身体で、簡単に音を出せ、思ったように表情を付けやすいマッピこそ選ぶべしです。
もちろんメタル以外の素材のも試しましょう。

でですね、案外と盲点。
メタルを欲しがる人は大抵、音色を求めていると自覚しています。
が、それが間違いなことも有り得ます。
憧れのプレイヤーの魅力は、実は音色だけでなく「唄い回し」という要素が大きいかもしれません。
それはマッピに依存する音色の違いはあまり関係のないことです。
どんなマッピ、どんな音色でも、近づこうとできます。
もちろん唄い回しには「音色の変化」という要素も関わるので、突き詰めればそれぞれのマッピの限界はありますけど。
つまり、自分の目標地点に至るために、マッピを変えることが不可欠なのか否かを慎重に吟味すべしってことです。

なわけですがマッピ選びは楽しいものです。
人生の気分転換としても最高です。
楽器店の人と仲良くしつつ存分に楽しんでよいでしょう。
沢山試した結果、結局は求めるものが無ければ、コルクグリスくらいは買っていきましょう。
前言と矛盾しますが、自分の当初のイメージとは違うが、吹奏を夢中にさせてくれる作品もあります。
マッピに人生を変えられるような出会いがあっても佳いでしょう。
楽しく演奏できればそれが一番です。
夢中で演奏している貴方の音こそ、最も効率よく音楽を人に伝えてくれるでしょうから。

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