武田和大です。木管吹きです。

2009年頃の古文書です
ぼちぼち現状に即して書き直そうかと(2019/07)


ソプラノって難しい?

(2009/09/15)


ソプラノらしい音色を楽しむのはわりと容易です。
なにが難しいと言われるのでしょうか。
主に音程の問題でしょう。

なかなか「正しい」というか、目指す音高を出しにくいのは確かです。
が、実は本当の問題は、それはソプラノに限った問題なのかってことなんです。

ギターのフレットを思い出して下さい。
左(低い方)から右(高い方)に向かってフレットの打たれている幅が狭くなってますよね。
次にフレットレスのギターを想像してください。
音高を半音変化させるために動かす指の場所は、右端よりも左端の方が大きいです。
逆に言うと、
左端で3センチ移動するのと、右端で3センチ移動するのとでは、変化する音程は変わります。
つまり、
運指操作の結果としての音高変化が、左より右の方が大きい。
つまり、
左端より右端の方が、運指操作に対してセンシティブ。右端の方がより微妙な動きの調整を要求されます。
サックスに置き換えると、その楽器のなかで低音域よりも高音域の方が、同じアンブシュア操作なら、ずれる音程の違いは大きくなるわけです。

さて、
ギターがサックス6重奏であると仮定します。
6弦がバス、5弦がバリトン、4弦がテナー、3弦がアルト、2弦がソプラノ、1弦がソプラニーノ。
またフレットレスギターとして想像します。
6弦の左端で運指を1mmずらすのと、1弦で同じことをするのを較べます。
人間の耳は不思議なもので、
1弦の方が音高の違いをハッキリと感じられます。
つまり、バスよりもソプラニーノの方が音高のズレを認識しやすいのです。

ここで重要なのが高音楽器のほうが音高のズレを「認識しやすい」ってことです。
ということは、低音楽器でも同じ問題が起きているのに「気にしないでいる」だけかもしれませんね。

だとすれば、ソプラノできちんと音高をコントロールする方法を身につければ、それより大きい楽器でもそれを応用できるはずです。
「認識しやすい」からこそ、そのタイプの練習の入り口としては容易だと言えるんじゃないでしょうか?


もう一つの問題。調整の容易さ。
あるパッドに0.1mmの隙間があったとします。
バリトンにとっての0.1mmとソプラノにとってのそれとは、割合でいうと後者のほうがずっと重大なのは想像に難くありません。
つまり小さい楽器のほうがより微妙な調整を要します。
その点では明らかにソプラノは「より難しい」と言えるでしょう。


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