武田和大です。木管吹きです。

目からウロコの教則ネタなどなど…

チューニング法。みんな間違ってない?
_たぶんいつまでも書きかけ項目(最終書き足し2009/07/07)

チューニング、皆さんどうやってますか?
吹奏楽では実音Bb、オケなどクラシカルなとこではA、
ポピュラー音楽なとこでもAに合わせる、、、とよく言われますよね。
丁寧な人だと、5度あるいは4度上下も鳴らしてみる、などと言います。

が!

そんなことでいいんでしょうか?!
アルトとテナーとで同じ音高を基準にしてよいのかしらん?

楽器の構造から起こる宿命的な音程のクセを知り、それと上手に付き合う最良の選択をするのがチューニングです。
私はどうすることにしてるのかを紹介しますね。
もちろん、この手の話に絶対的な正解は無いので、あくまでも参考にど〜ぞ。


先ずは、どのサックスでもほぼ共通に起こる音程の困ったクセについて知りましょう。
まず条件設定。
・楽器の調整が少なからず佳い状態であること。
・自分なりにアンブシュアなどが佳いと思われる状態で吹けていること。
・マッピとリードのセッティングに無理が無いこと。
・マッピの差し込む位置が適切(話が前後してしまいますが)。


するとですね、、、

・最低音は大抵上ずります。

・最低音域のD以下のカップが閉じぎみで低くなってしまう調整をよく見かけます。

・テナーだと第一オクターブDは当てにくい楽器が多い。オクターブ上にひっくり返りやすい。それ以下の開きを拡げるとか、広すぎないマッピを使うとかするとベター。

・調整によって第一オクターブのEbが低い楽器をよくみかける。

・テナーだと第一オクターブG, G#は上ずりやすい楽器が多い。逆にそのオクターブ上は下がりやすい。
 (第二オクターブのGとG#を上ずりやすいと感じてる人も多いでしょう。これはサックスの構造的問題で、その2つの音が下にひっくり返り易いことに起因します。それを防ごうとして噛んでしまうのが原因です。結果として響きの貧弱な潰れた音色になっているはずです。リードが自由に振る舞えるようなアンブシュアであればその上下の音と較べて低くなりがちな楽器が多いのが事実です。その2音がそのすぐ上下と較べて呼気に対する抵抗が格段に高いのが原因です。この問題への対応として噛む人が多いため、それ向けの調整をしてしまうという製造段階での問題も無視できません。リードの自由さを損なわずにピッチを保つには、噛むことでなく口腔内容積を狭くし呼気スピードを高めにすることでコントロールすべきです。)

・第一オクターブのA〜C#は口腔内容積と呼気のコントロールができてないと上ずります。
 (ここが下がる、あるいは下がらないが音色が潰れている場合はマッピの抜きすぎです。)

・第一オクターブてっぺん、開放のC#は上記問題が顕著な上に響きが空虚になりやすい。
 (そのすぐ上下の音と較べて格段に呼気に対する抵抗が少ないのが原因です。そのため口腔内容積が狭くなりがちで結果として噛みがちにもなってしまいます。抵抗の少なさに負けずに口腔内容積を広く保ち、噛まないよう心がけ、すぐ下の音に近い抵抗感を感じられるくらいにたっぷりとした呼気を送り込むことでコントロールすべきでしょう。)

・第二オクターブのEは強烈に上ずります。その前後、D〜F#も一様に上ずりやすい。
 (サックスという楽器の形状がもたらす問題と言えそうです。ストレート管のソプラノではアルト・テナーほど顕著ではありませんから。この音域は口腔内容積と形状のコントロールで「強いて」低めを狙って演奏する必要があるでしょう。)

・第二オクターブのDとD#は鳴りが重く、暗い響きになりやすい。U字管のC#カップが使わないときに閉じているためでしょう。

・第二オクターブのGとG#はファズりやすい。オクターブキーシステムの無理が起こる箇所でオクターブ下の音が混じりやすいためです。

・第二オクターブのGより上は、良く言えば音程調整の融通が利く、悪く言えば音程が悪くなりやすい。吹き方によって上ずりもぶら下がりもする。口腔内容積と呼気の適切なコントロールが必要になる音域です。低音域よりもその狂いが聴感上目立ちやすいので余計に配慮が必要。

、、、といったところが一般的問題でしょうか。


私は最近の中国&台湾製楽器をよく吹く機会に恵まれますが、
・バリトンの最低音域が一様に低い。
・カーブドソプラノ、全体に低い、特に低音域。
といった問題によく突き当たります。

 ↑これはどうやら○○○○の×××に起因することも多いと最近感じ始めています。
  詳細な科学的検証をすべき点です。(伏せ字にて失礼)


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さて、そういった問題を前提として、適切なチューニングを考えてみましょう。

最初に最大のポリシーを述べてしまいます。
「その楽器で最も音程的融通の利かない音域で、求める音高が出せるように調整すべし」
です。

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オーケストラ全体でチューニングするときにオーボエを基準にしますよね。
聴き取りやすいのも理由のひとつでしょうが、実はといえば最も音程的融通の利かない楽器とされているからです。
リードの調整法次第でバランスをとれますが、本番当日のリハという場面に至ってからリードを作って使えるまで慣らす時間はありませんから。
不自由な人に皆が合わせる。とても民主的な方法なわけですね。
とはいえ実を言えば、鍵盤楽器や音程のある打楽器が最も不自由なんですけどね。

Saxに話を戻します。
最も融通の利かない、且つチューニングに適した音域とはどこでしょうか?
第一オクターブ下半身のD〜F#と言ってよいでしょう。
安定した発音をしやすく、聞き取りやすい音域です。
それより下は楽器と身体の調子によって発音が不安定で、的確な判断をしにくくなります。

融通についての原則。
押さえる指が多ければ管は長くなり、少なければ短くなります。
短いほうが融通は利きます。
マッピだけだとアルト・テナー・ソプラノなら1オクターブ半、バリトンでも1オクターブと3度くらいの幅で音階を吹けます。
逆に指を沢山押さえるとその幅はどんどん狭くなります。

融通が利かないってことは、楽器を設計した人が思い描いたような音程が出やすいとも言えます。

つまり、チューナーを見ながらリラックスした快適なアンブシュアで低いD〜F#がゼロ点に来るよう調節すべし、なのです。
口腔内容積を狭くしたり、噛んだりすれば、少し上げられるくらいのゆとりが理想ですね。
よいハモりのためには上ずらせるコントロールが必要になる場面もありますから。
そうすると、Fatでルーズなアンブシュアの人だと、かなり突っ込んだマッピ位置になるでしょう。
Thinでタイトな人にとっては信じられない見かけでしょう。
が、実は楽器が最大限に「鳴る」ことと、音色と音高の様々な融通を重視するならば、そのツッコミこそカギだと思うのです。

チューナーを使わずに、音程の確かな、あるいは合わせてあげるべき(音程的融通の効かない)楽器の音を鳴らしてもらい、
それと同時に鳴らして、ウナリを頼りにチューニングするのも大切なことです。
その際に、合っているかどうか or ずれているとしたら上なのか下なのかを判断するためには、
マッピを動かさずとも、口元だけで音高の微妙な調整ができねばなるまいぞ。

で、マッピの出し入れと音程への影響について。
管が短い音域では大きく影響しますが、長い音域ではあまり影響しません。
ってことは、低い音域でチューナーに合わないって時にはアンブシュアを見直すべき、となります。
普通に売られている楽器は、それ位には信用してよいはずですから。
なわけで、人それぞれに適切なマッピの突っ込み位置があるわけですが、
それよりも突っ込めば一番短いとこと長いとことの音程は広がり、抜けば狭まるわけです。
ついでに言うと、リードの堅さ。
その人とマッピにとって適切な堅さよりも堅ければ広がり、柔らかければ狭まる傾向があります。
なので、リードの堅さによってもマッピを突っ込む位置は変わるわけですね。

低いD〜F#で合ってれば、それ以外の音域でずれたなら奏法を検討すべきでしょう。
特に第二オクターブ全域が上ずる場合には、そこをなんとかすべく練習すべきでしょう。

ほっといたら必ず上ずるはずの第二オクターブ下半身を基準にチューニングするのはペケです。
そうすると、それより上の音域は容易に合わせて吹けるとしても、第一オクターブの音達は全て無理矢理上ずらせて吹くことになります。
音質と響きに悪影響必至です。息苦しいカリカリとした音色になります。
それ以前にちゃんと音を出すこと自体が困難にすらなるでしょう。
低い音域が佳い響きで正しいピッチで吹けるようにチューニングして、上の音域で上ずるところを下げるコントロールをすべきです。
下げるコントロールは余程極端でなければ音質に悪影響はありませんから。

そのコントロールをできるようになるためのエクササイズについては「ボイトレ」のコーナーでゆっくりと紹介しますね。
(現状まだ、ですが)



いくつかの楽器に特有の問題もあります。
その対策については現在検討中ですが。

・台湾製バリトン、最低音域の低すぎ問題。
これはですね、、、もしかしたら、、を見つけつつあるのですが、今のとこナイショにしときます。

・セルマー、シリーズ3ソプラノ。
個体差もあるようですが、全体的に低くなってしまい、まともなピッチで吹こうとすると、かなりタイトなアンブシュアになる楽器が多いように感じてます。
何種類かのソプラノを立てて並べるとシリーズ3は圧倒的に全管長が長いです。
で、何故か管が短い(押さえる指が少ない)音域ですら低くなってしまいます。マッピを突っ込みきっても尚。
ってことは、ネック自体を短くすれば良いのかしら?
シリーズ2も若干低めです。
(いずれにせよ個体差だと思いたいとこではあります。)
マーク6ではそんなことありません。が、全域にわたって音程の芯はフニャっとした感じです。
奏者が全ての音高を「造る」必要アリな楽器です。
ただし音色は最高なので皆さんなんとか使いこなすべく修行を積むわけですな。
ヤマハの古い楽器も同様です。
その点、柳沢のソプラノの信頼感は最高ですね。
新しいヤマハはまだあまり試してないので、、、今後ってことで。

・柳沢のバリトン(現行の)
ソプラノもアルトもテナーも本当に素晴らしいメーカーなのだが、バリトン、不思議なことがあるわけで。
もちろん私がバリトンに過敏なだけかもしれませんが。全体的な鳴りとか音色とかは最高なわけですが、、、
第一Oct. 開放のC#。。。(とにかく試してみてちょ)←ありがちな調整の問題かもしれません、要検証。

右手サイドF#。。。これはマーク6をそのまま真似したことによる問題なようで。
柳とマーク6いずれもほぼ盲腸になってます。(音色と響きが使い物にならない、てことです)
、、、うむ〜、

・中国製カーブドソプラノ。
やはり全体的に低い楽器を見かけます。そういった楽器は最低音域を上げきれないくらいだったりします。
狭いマッピに堅いリードというセッティングで対処できるかもしれませんが、今後の改良に期待したほうがよいかも。

・台湾製
対して、台湾製はかなり品質を上げてますね。
カドソン、キャノンボール、ポールモーリア、それぞれ微妙に個性はありますが、一様に大きな問題も無く楽しく使える楽器に仕上がってます。
ジュピター、イオ、上記とはまた違ったコクのある吹き心地を実現してますね。
シリーズ2と3の違いのような。
シリーズ3の響きに人工的な違和感を感じる方には前者をお薦めします。
が!
突然あらわれたダークホース。シャトー。台湾の会社で工場はベトナム。格安で高品質。
ん〜〜〜〜〜、、、どっちかというと別口のマワシモノの私としては「試してみてね」としか言えないなぁ、、、。
「別口」にはもっと頑張ってもらわんとなぁ、、。ってか頑張るゾ。意味不明ですいません。
あぁぁ、チューニングについてのページだった、、台湾製、バリトン以外は軒並み音程については大丈夫かと。

・古代セルマーのバリトンとソプラノ。(古代のアルトとテナーは未体験なもので、、、)
私は Model No.22のソプラノを持ってます。学生時代にそのバリトンを持ってたこともあります。
現代のマッピで吹くと管の短い音域はグッサリと低くなってしまいます。
マッピのシャンクを短く切って、ボアまで丸く削りこんで更に突っ込めるようにする、という対処が有名ですが、はてさて、、、。
その当時のマッピは一様に外形が馬鹿デカく、ボアもデカい。そして、ティップの開きは狭い。つまりリードは堅い。
それでバランスをとれていたのかと思われます。まだ検証の至らないところですが。
そういったマッピを使うとすると、目指す音質とか表現とかも変わってくるはずです。
ですが、それこそが古い楽器を使う価値なのかとも思ってます。
オコヅカイにゆとりができたら試してみたいところです。


  ※投げ銭よろしく〜 賽銭箱

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